肯定することで、「頑張る力」を引き出します

幸せや幸福、達成感や満足感は自分が頑張って行動して手に入れていくしかありません。でも心理療法を求めて来られる人の多くは、もう既に、ものすごく頑張ってしまっていて、もう頑張りたくても頑張れない状態の人たちです。
たとえば、不登校の中学生の男子は朝7:30に起きさえすれば学校に行けるのですが、それが出来ません。過食症の女子はスナック菓子を食べなければ、嘔吐することもなく、罪悪感に襲われることもないのに、食べないことが出来ないのです。「こうすれば良い」ということがわかっていても、患者さんたちには出来ないことばかりです。
効果的な具体的方法を丁寧に説明し、ご理解いただいても出来ません。
頑張りたくても、もう頑張れないのです。

どうして頑張れなくなってしまったのでしょう。自信が無くなってしまったのでしょう。今の自分が大嫌いで、もう生きていても先に良い事など何も無いように思ってしまうのです。このような状態では当然、「頑張る」なんて出来ませんよね。「頑張る力」を生むためには、「未来への希望」「喜びや嬉しさ」「精神的な安定」「信頼」が必要だと私は思います。

では、どうしたら良いのでしょう。自信を取り戻してもらうと良いです。では、どうすれば、自信を取り戻してもらえるのでしょう。

自信のない状態の頭の中は「私はダメ」「私はいけない子」「私には出来ない」‥‥など
否定的は言葉がグルグルと渦を巻いています。

ですから、自信のある状態にするには「私は結構いいかも」「私にも出来るかも」「私は大丈夫かも」‥‥など。肯定的な言葉がグルグルと渦を巻いている状態を作れば良いと思いませんか。

そのような状態になってもらうために、治療者は患者さんの全てを具体的に、患者さんに受け入れてもらえる言葉を吟味して徹底して肯定し続けます。そうすると、患者さんの自己肯定感があがっていきます。そうすると、患者さんの頭の中に自然に「私は結構いいかも」「私にも出来るかも」「私は大丈夫」‥‥など。肯定的な言葉が勝手に頭に湧いてくるようになります。

患者さんの一言一言を患者さんが受け入れられる言葉で肯定するコミュニケーションを繰り返し続けます。そうすると、患者さんの自己肯定感が上がり「喜びや嬉しさ」を味わうことができ、「未来への希望」が持て「精神的に安定」してきます。そしてこのコミュニケーションでセラピストを「信頼」することも出来ます。そして「頑張る力」が出てきます。そうすると、その「頑張る力」で、後は患者さんが勝手に問題に対処してくれるかも知れません。肯定するだけで、良くなっていってくださることも多くあります。
患者さんに受け入れてもらえる言葉で肯定し続けるのは、技術が必要です。難しいですが、トレーニングで身に付きます。

カウンセリングルームCo.koro  濱田恭子
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